歯周病とは

歯周病とは

歯周病はプラーク(歯垢)の中にいる歯周病菌(プロフィロモナスジンジバー リス、etc)、プラークが蓄積されて固まった歯石によって起こります。この歯の表面に付着した汚れ(プラーク、歯石)をそのまま放置しておくと、歯の周りの歯肉に炎症が起きます。歯肉は赤くなり、ぶよぶよと腫れてきて、ちょっと歯ブラシが触れただけで簡単に出血するようになります。

歯肉だけに炎症があることを歯肉炎といいます。この状態をさらに放置すると、炎症はさらに進み、歯を支えている骨(歯槽骨)を少しずつ破壊し、歯はぐらぐら動くようになり、やがて抜けてしまいます。歯槽骨にまで炎症が広がっている状態を歯周病といいます。歯周病は、口臭の1番の原因です。

歯周病の進み方

歯周病の進み方

歯石とプラークが歯槽骨を破壊します。歯周病は歯を支えている骨が溶ける病気です。

歯周病を発生させる確率を高めると考えられる要素

食習慣 軟らかい食べ物や、砂糖を含む食品をとることによりプラークができやすくなります。また、野菜や果物をあまり取らないと、ビタミン不足で歯肉がよわくなります。
喫煙 ヤニが歯の表面についてプラークを付着させやすくします。ニコチンによって血液循環が悪くなり、歯肉の抵抗力が落ち歯周病を進行させやすくします。タバコは、歯肉の口腔粘膜がんの原因にもなります。
歯列不正
歯ぎしり
不正咬合
歯並びが悪いと、ブラッシングしてもプラークが残りやすい。唾液による洗浄作用(自浄作用)が得られにくい。8020運動で歯並びが悪くて目標を達成している人は1%もいません。
その他 ストレスや糖尿病も歯周病のリスクファクターになります。

歯周病の罹患率

統計によると10代で2人に1人50%、20代で4人に3人70%、30代から60代は 5人のうち4人80%が歯周病にかかっており、何らかの治療が必要だと報告されています。また、40歳以上で歯を失う原因の80%が歯周病です。

歯周病治療の方法

歯周病治療の基本は原因の除去なので、プラークを取り除くことが一番大切です。その次に大切なのがプラークを増加させたり、取り除きにくくするプラーク増加因子(歯石、歯周ポケット)を除去・改善することです。

プラーク・歯石を取って歯周ポケットを浅くし自分で管理できる(歯磨きが出来る)環境を作ることが重要です。

歯周検査

歯周ポケット測定、歯肉からの出血、歯の動揺、根分岐部病変、プラーク・歯石の付き具合などを検査します。

定期検診(リコール)

改善した歯周組織の状態を長く維持していただくために定期的なチェックとクリーニングを受けていただきます。この段階でもしも後戻り(悪化)が認められると、再度治療を受けていただくことがあります。

歯周ポケット測定

プローブ

歯周ポケットとは歯と歯茎の境目の溝を言います。その溝の深さを測ります。
測定には目盛りの付いたプローブを用います。

  • 3mm以下が正常
  • 4~5mでは初期から中等度
  • 6mm以上は重度の歯周病

1本の歯につき1~6ヶ所歯周ポケットを測定します。

歯肉からの出血

ポケット測定を行ったときに、歯周ポケット内から出血するかどうかを診査するものです。出血するところは、歯周ポケット内に炎症がある証拠です。
健康な部位からは出血しません。このような部位は歯ブラシでも血が出ることがあります。

歯の動揺度

ピンセットで診査します。歯を左右・前後・垂直方向にゆすり、その動揺で判断します。0度から3度まで評価します。

根分岐部病変

上顎小臼歯、大臼歯、下顎大臼歯は歯の根が複根となっていて分岐しています。その分岐部の歯周病の進行を診査します。分岐部にある病気を治療するのは非常に困難なケースが多いです。早期に治療することが大切です。

歯石取り

歯石除去

スケーラーと呼ばれる器具を使って、歯肉縁上や歯肉縁下の歯石を除去します。歯周ポケットが深い場合には、麻酔をすることがあります。スケーラーは先端が刃物になっている手用スケーラーとチップを振動させて使用する超音波スケーラーがあります。

超音波スケーラーは先端が毎秒25,000~30,000サイクルで振動します。振動により発熱するため、水を出しながら行います。

歯石除去後は、しみることがあります。これは、もともと歯茎がやせたりして歯の弱い所に汚れがたまり、それが綺麗になることで歯の弱いところが露出ししみてしまいます。しばらくすると、しみるのは治ります。

根面デブライドメント

歯周ポケットの中に、普通の歯ブラシの毛先はどのくらいの深さまで届くのでしょう?その限界は1~2mmと言われています。したがって、歯ブラシだけで歯周ポケット内のプラークを除去するのは困難です。

歯肉縁下のプラークを除去し、疾患が発症しないようにコントロールするこが目的です。セルフケアでうまく掃除ができない部分を補います。特に歯周病患者は、短い間隔で定期的に根面デブライドメントを受けることをお勧めします。超音波スケーラーに専用のチップをつけて処置します。

歯周外科

外科的に歯周病治療を行う方法です。歯周外科にはフラップオペやAPFなど様々な処置方法があります。
当院では歯周外科テクニックを症例により使い分け、歯周病治療を行っております。

エムドゲイン(再生治療)

エムドゲインという再生ゲル材料を、失った歯ぐきや骨にあてがい再生を促す方法です。治療結果には個人差があります。極度に歯ぐきが下がっている場合は治療対象外になります。

再評価

再評価とは治療前と同様の歯周検査を行い、それまでの治療における治癒(治りかた)をみることです。それによって治療計画を見直し、今後の治療方針を決定していきます。改善されない場合にはブラッシングの強化や根面デブライドメント、薬物療法など改善されるまで繰り返されます。

歯周病治療の原則

  1. プラーク・歯石を除去する。
  2. プラークコントロールしやすい環境を作る。
  3. ブラッシングの強化
  4. メインテナンスをしなければ再び感染する。

歯周病と全身疾患のかかわり

歯周病は進行すると歯がぐらぐらしたり、うみが出たり、しまいには歯が抜けてしまう病気です。ただ、歯周病の影響は歯のことではとどまらないことが最近の調査で分かっています。例えばお口の中の細菌から「感染性心内膜炎」を起こしたり、高齢者の方の「誤嚥性肺炎」を引き起こすことがあります。

歯周病と「心臓病」

歯周病のある人が、心臓病(狭心症、心筋梗塞など)になる確立は歯周病のない人に比べて1.5~3倍に上がることが分かっています。

歯周病と「早産」

歯周病のある人が、低体重児を早産する確立は歯周病のない女性の7倍になることが報告されています。

歯周病と「糖尿病」「骨粗鬆症(こつそしょうしょう)」

糖尿病が歯周病を起こしやすくすることは分かっていましたが、歯周病が糖尿病患者の血糖値コントロールに影響を与える可能性があると報告されています。例えば、糖尿病を有する歯周病患者に対して抗生物質を変容した歯周治療を行ったところ、術後に血糖値が改善した報告があります。
また、口の中の細菌と「骨粗鬆症」との因果関係も分かってきています。

歯周病と「肺炎」

高齢者の方が歯周病の原因菌を吸い込むと「誤嚥性肺炎」を起こしやすいです。この肺炎は現在の死亡率の上位です。

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